脊柱管狭窄症
- 長時間の歩行が困難
- 座って休むとまた歩けれる
- 動き始めの腰が痛い
- 屈みながらなら歩ける
- 自転車ならどこまでも行ける
脊柱管狭窄症ってなに?
まず脊柱管の説明から
- 中枢神経系: 脳と脊髄で構成され、体全体の制御と調整を行い、思考や運動、感覚、生命維持機能を管理します。 いわば体の司令塔
- 脊髄: 中枢神経の一部で、脳からの指令を体に伝え、体からの感覚情報を脳に送り返す役割があり、また危険から身を守るための反射も行います。体を動かすための電気信号を伝えるための電線の束
- 脊柱管: 脊髄を保護する空間であり、外部からの衝撃から脊髄と神経を安全に守り、体の柔軟な動きを可能にします。電線を通すトンネル
脊柱管は頭部から腰部まで続いており、各部位ごとに神経が枝分かれして体の各部分へつながっています。
腰部脊柱管狭窄症の原因
腰部脊柱管狭窄症が起こる原因は、主に加齢とともに進行する以下のような要因です。
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椎間板の変性: 椎間板(ついかんばん)は、背骨の骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす軟骨組織です。加齢とともに椎間板の水分が減り、硬くなってしまうため、背骨の安定性が失われ、脊柱管を狭くする原因になります。
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靭帯の肥厚: 靭帯(じんたい)は、骨と骨をつないで背骨を支える組織ですが、長年の使用で靭帯が厚くなる(肥厚)ことがあります。特に「黄色靭帯(おうしょくじんたい)」と呼ばれる靭帯が肥厚すると、脊柱管が圧迫されて狭くなりやすくなります。
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骨の変形(骨棘): 加齢や過剰な負荷により、骨が変形してトゲのような突起(骨棘・こつきょく)が形成されることがあります。骨棘が脊柱管にせり出してくると神経を圧迫する原因になります。
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椎間関節の変性: 椎間関節も加齢とともに変形し、関節自体が脊柱管のスペースを狭くする場合があります。
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椎間板ヘルニア: 椎間板が突出し、脊柱管のスペースを狭めることもあります。特に若い人でも腰部脊柱管狭窄症を引き起こす要因になることがあります
健康な状態では脊柱管に十分なスペースがあり、神経がスムーズに流れていますが、このスペースが狭くなると神経が圧迫されて症状が出ます。
脊柱管狭窄症で出てくる主な症状って何?
1. 腰痛
脊柱管が狭くなることで、腰の痛みが生じます。痛みは鈍い痛みや張り感として感じられることが多く、慢性的に続く場合もあります。
2. 下肢のしびれや痛み
神経の圧迫によって、腰から足にかけてしびれや痛みが現れることが多いです。この痛みやしびれは歩行や立っているときに悪化し、座ったり前屈みになると和らぐ傾向があります。
3. 筋力低下
神経の圧迫が進行すると、圧迫された神経が支配する筋肉が弱くなり、足や腰の筋力低下が見られるようになります。筋力が低下することで、歩行が不安定になる、足を引きずるといった動作が見られることがあります。
4. 間欠性跛行(かんけつせいはこう)
間欠性跛行は、脊柱管狭窄症の特徴的な症状の一つです。歩行や立っているときにしびれや痛みが強まり、少し休むと和らぐため、また歩けるようになるというパターンです。この症状があると、一定の距離を歩くと痛みが増し、休憩を挟みながらでないと歩行が困難になります。脊柱管が狭くなった状態で歩くと神経が圧迫されやすいため、このような症状が生じます。
5. 感覚異常
足や腰の皮膚の感覚が鈍くなる、またはピリピリするような異常な感覚を感じることがあります。神経が圧迫されることで、通常の感覚が障害されることによって生じる症状です。
6. 排尿・排便障害(重度の場合)
まれに、脊柱管狭窄症が進行し神経の圧迫が非常に強い場合、排尿や排便に関わる神経が影響を受け、コントロールが困難になる場合があります。この場合は、緊急の治療が必要です。手術が必要になってきます。
なつめ鍼灸整骨院ではどんな施術をするの?
鍼灸整骨院で行われる脊柱管狭窄症に対する施術は、症状の緩和や神経の圧迫を軽減し、血流や筋肉の柔軟性を改善することを目的としています。以下は、鍼灸整骨院で一般的に行われる施術法です。
1. 鍼施術
鍼灸施術は、ツボに鍼を刺すことで体内の血流やエネルギーの流れ(気)を整え、痛みやしびれを緩和する効果が期待されます。
- 効果: 鍼が筋肉の緊張を緩和し、血流を改善することで、神経の圧迫が軽減されやすくなります。また、脊柱管狭窄症によるしびれや痛みの感覚を緩和することが可能です。
- 対象となる状態: 下肢のしびれや痛み、腰痛、間欠性跛行など
2. 整体・骨格調整
骨盤や脊椎の歪みを矯正することで、脊柱管への圧力を軽減し、脊柱周囲の筋肉のバランスを整えます。
- 効果: 骨格の調整により、腰や脊柱の歪みが改善されると、神経の圧迫が軽減し、血流が改善することで症状が和らぎます。痛みが軽減し、姿勢の改善や腰部の安定性も向上します。
- 対象となる状態: 腰の痛み、下肢の痛み、しびれ、間欠性跛行など
3. 筋膜リリースやマッサージ
筋膜リリースやマッサージは、筋肉や筋膜の緊張を和らげ、血行を促進することで神経圧迫を軽減する方法です。
- 効果: 筋肉の緊張が緩和され、周辺の血流が促進されることで、神経への圧迫が軽減され、痛みやしびれが和らぎます。また、リラクゼーション効果によって筋肉のこわばりも解消しやすくなります。
- 対象となる状態: 筋肉の張りやこわばり、腰痛、しびれなど。
4. 運動療法とストレッチ
患者の状態に応じて適切な運動やストレッチを行い、筋力や柔軟性を高め、再発予防を目指します。
- 効果: 腰回りの筋肉を強化することで、脊柱管にかかる圧力を軽減し、再発を予防します。また、柔軟性を高めることで関節や筋肉の動きが改善され、痛みの軽減にもつながります。
- 対象となる状態: 間欠性跛行や痛みなど、再発予防にも
5. 電気治療(低周波・温熱療法など)
電気治療器を用いて患部に低周波や温熱を与え、痛みの軽減や筋肉のリラクゼーションを図ります。
- 効果: 電気刺激が筋肉の緊張をほぐし、温熱効果により血行が改善されることで、痛みやしびれが軽減されます。温熱療法は特に冷えからくる痛みにも効果的です。
- 対象となる状態: 慢性的な腰痛や筋肉のこわばり、しびれなど
まとめ
なつめ鍼灸整骨院での脊柱管狭窄症施術は、鍼や灸、マッサージ、整体、電気治療などを組み合わせることで、症状の緩和や生活の質の向上を目指しています。整形外科治療と併用することで、より効果的な症状の軽減が期待できる場合もありますが、症状が重い場合や神経の圧迫が強い場合は、医師の診断や治療を併用することが重要です。